テレビを見てここに来た人は二人ですが、一人は1ヶ月の予定が半日、もう一人は1年の予定が2週間で帰ってしまいました。
ここの仕事は農業としてはそれほどきついわけではありません。
9時から5時までで、休み時間も十分取ってます。
それでも付いてこれないみたいです。
テレビを見てる人たちの体力が無さ過ぎるのでしょう。
農業は肉体労働です。
心身ともに健康で無いとまず無理です。
それプラス最低限の忍耐心は必要です。
テレビで見るのと現実は違うのです。
そもそも田舎生活はそれほど楽なモンではないんですよ。
だからみんな田舎を捨てて出て行ってるのです。
中途半端な気持ちで手伝いに申し込まないで下さい。
もし来たのでしたら、もう少し長くがんばって下さい。
こちらがなじむ前、本人たちもなじむ前に行かれると、こちらも悲しいのです。
こちらの事を理解するどころか、誤解だけ持って帰られるのは、本当に悲しいのです。
いくら無料でやってるからといって、簡単に帰らないで下さい。
言った以上は責任を持ってください。
何が何でも決めた期間はがんばる、これは普通の事です。
その決心が無い人は申し込まないで下さい。
田んぼの代掻きを始めました。
今年は2回代掻きです。
1回目に水を入れ軽く起し、草が芽を出した1週間か10日後に2回目の代掻きをします。
これによりかなり草を押さえられるかもしれません。
やってみないと分らないのです。
1回目と2回目の間隔もはっきりしていません。
稲の苗の配布が21日頃なので、2回目の代掻きは21日の3-4日前になります。
代掻きを早くやりすぎると草が先行してしまいます。
遅れると田植えのときに土が安定してません。
代掻きをして直ぐに田植えは出来ません。
家で作ってる苗の田植えは6月になります。
高度が高いのでハウスの中でも、苗は中々大きくなりません。
ハウスの温度管理も難しいのです。
昼間は家にいませんから、ハウスは開放してなければなりません。
稲の苗だけでなく、野菜や穀類の苗も同じハウスでやってるので、それほど高温にするわけにもいきません。
大鹿村でも下では畑でプール育苗も出来るし、田んぼでの育苗も出来ます。
1300メートルで、800メーターの高度で使う苗を作る所に無理があります。
そうかと言って、毎日下まで降りて田んぼで育苗をするわけにもいきません。
大池の畑のマルチ張りだけでも6日間付きっ切りです。
毎日下に行く余裕はありません。
野菜と米をそれも1500メーターと800メーターの高度で作ると言う事自体がそもそも無理があるのです。
800メートルに住むと問題はなくなるのですが、私達は1300メートルの山奥の生活が気に入ってるのです。
その内稲の苗のシーズンだけでも、下で生活する事も考えてもいいかもしれません。
稲の育苗は約1ヶ月です。
大池の畑の小麦の種まきと、ジャガイモの種芋を植えました。
この畑に堆肥とボカシ肥を入れたのは5日前、普通は最低でも2週間は置かなければならないのですが、この2種類は比較的未発効の肥料に強いのです。
この二つは遅くなればなるほど収量は減ります。
小麦はあまり遅くなると、実がなりません。
大麦とかライ麦は春に蒔いても、収穫できません。
小麦も余りよくは無いのですが、大鹿村の山奥では春蒔きも可能です。
小麦の中にもいつ蒔いても収穫できる品種もあります。
ジャガイモは今年は芽のほうを下にして植えています。
3年ぐらい前から掘らずに、そのまま種イモを置いていき、種芋の上に土を盛っていくやり方に変えています。
ジャガイモは湿気に弱いのです。
高畝にしても、種芋が下にあるのでは、結局湿害にあいます。
最近は雨が多いので、ジャガイモは収穫後に大量に腐れが出ます。
これだけ対策しても、ほとんど雨で晴れないのではどうしようもないのです。
野菜や穀類は圧倒的に湿気には弱いのです。
世界では乾いてる国のほうが圧倒的に多いのです。
原産国の気候に近い気候を、好むのです。
9割がたの農産物は乾いたほうがよく出来ます。
屋根の下の乾いた土に落ちたヒマワリとか、ケール等が芽を出しびっくりします。
普通種は水をやらないと発芽しないと思ってますが、少しの湿気でも芽を出すものもあるみたいです。
農業は何年たっても新しい発見があり、状況、気候により変えていかなければなりません。
6日目です。
午前中で終わりました。
これで大安心です。
午後は明日のてんぷらパーティーが雨になりそうなので、新八角堂でやる事になり、その準備。
疲れました。
せめて1日ぐらいは休みたいです。
昨日2枚目の約1反を終わり。
今日は2枚目の残りを終わり。
3枚目の3反の畑の半分が終わりました。
今年は晴れが続き、土が乾いているので、トラクターの横滑りも無く、土も動かしやすいので仕事は順調に進んでいます。
明日の午前中には終わるでしょう。
遅くても3時には終わるでしょう。
土が乾いてるときの作業は楽な上に、土が乾いてるときに起すとその年は作物のできはいいのです。
土が乾いてるときの起すのはそれほど大事な事なのですが、大鹿村では時間的に余裕が無いので、どうしても雨の直後でも起してしまいます。
何しろ霜が降りるまでに作物が出来ないと何もならないわけです。
この日までに作付けしなければ、その年は収穫ができないと言う事になります。
山奥はここが大変なのです。
霜から霜が5-6ヶ月しかないのです。
種まきとか苗の定植の余裕はあまりありません。
マルチが張り終えてないと定植も、種まきも出来ません。
マルチ無しの栽培は、山奥では不可能です。
地温が低すぎるのです。
マルチは地温を上げます。
草対策にもマルチは欠かせません。
1町歩以上の畑をマルチ無し、除草剤無しで、草を押さえる事は不可能です。
もちろん朝早くから夜まで働けば可能です。
それでは体が持ちません。
農業で大切なのは、作物の収穫までいかに体を壊さずにやっていくかなのです。
出荷の場合は休む事はできません。
プロの農家は大変なのですよ、それなのに収入が低いのでは、誰もやらなくなるのは目に見えています。
農作物の値段は今の2倍にならないと農業者はやっていけません。
それなら高い農産物はいらないと言うのであれば、何かあったときに手に入らない可能性のある、海外の農産物に頼ればいいのです。
日本のそれも無農薬で、その上安くなんて、こんな事はどだい無理な話なのです。
皆さん、今のまま安い農産物を求めて、もっと日本の農家を消耗させていくのですか。
もちろんその選択はあなた方の自由ではあるのですが、その選択の責任は自分たちで取ってくださいね。
の本の農業者は今限界です。
特に良心的な農作物を作ってる農家は絶滅寸前です。
これみんな街に住んでいるあなた方の選択の結果なんですよ。
食糧危機になって、そのとき泣いてたのんでも、たのむ相手さえ居なくなってるかもしれませんよ。
食糧危機のときは農業者は、仕返しをする可能性は大きいのです。
覚悟しててください。
もちろんふりだし塾もその時は、街のかたがたには食料は出しません。
まず家族優先、次にファミリー優先、次に村が優先です。
外の人たちに食料を分ける余裕は無いでしょう。
大池の3反の畑1枚が終わりました。
この畑が一番雨に弱い畑なので少し安心です。
マルチは減らしてます。
今日は6割くらいマルチです。
残りは麦とヒエの直播です。
堆肥の上にボカシ肥を撒いていき、その後に起して、マルチを張っていきます。
ボカシ肥は作物によって量を変えます。
堆肥は基本的にそんなに変りません。
ボカシ肥を一番入れるのがトウモロコシと白菜です。
次がナス、そのほかはまあまあ入れます。
麦、ヒエ、は少しです。
大豆、小豆、そばは入れません。
他にミネラルを全体に同じ量入れます。
ミネラルの不足した野菜は健康によくありません。
色んなミネラルが配合されたものを入れます。
今年は貝化石は入れません。
石灰の代わりに、カキガラか貝化石を入れます。
カキガラは苦土入りです。
苦土はマグネシュウムです。
マグネシュウムは不足しがちなので、別に入れます。
石灰を入れると畑は固くなります。
ペーハー調整は意外とそれほど言われてるほどやりません。
ペーハー調整とは、石灰などのアルカリ性の物を入れて、畑の酸性を中和する事です。
畑は弱酸性がよいと言われてますが、作物によります。
ふりだしでは3年に一度だけカキガラか貝化石を入れます。
今年から堆肥にナマステ菌が入ってます。
ボカシ肥も全てナマステ菌に変りました。
EM菌は30年近くやりましたが、ナマステ菌に全面切り替えです。
畑の一部でラジューム鉱石の粉を使います。
ラジュウム鉱石は高いので、今年は畑の3分の1で試します。
自然放射線がどのくらい畑にいいのかが楽しみです。
不耕起、自然農にこだわるIターンの人がいますが、私は耕さざるもの食うべからず、という江戸時代の安藤昌益の直耕真営道が自分の生き方にはしっくりきていて、実践しています。要は手で耕すか、機械で耕すかなのですが、除草剤や農薬を使わなければいい訳で、
肥料は牛ふん堆肥やら、ケイフンやらたくさん入れてます。こんしーずんは牛ふん堆肥は袋で買い、ケイフンはヤマギシの無料の物を自分で袋づめし十袋ほど入れました。
明日は大池にマルチはりのお手伝いに行く予定です。
農業は理屈ではなく手で足でやるもの、とにかく早起きして頑張ろうね。
下の畑のマルチ張り。
手伝いの人たちもマルチ張りになれてきました。
一部はトラクターでは出来ないので手で畝を作り、マルチを張ります。
機械を使うのと、手でやるのとでの違いがよく分かります。
機械はやはりすごいのです。
起して畝を作りマルチを張る、この作業を一気にやってしまいます。
手ではまず起さなければなりません。
草は機械ではばらばらにしてすき込んでしまいます。
手では、草をこまめに取っていかなければなりません。
これは時間がかかりますその上、草は残ります。
起すのも同時にやってるわけです。
起したら土の塊を細かくしなければなりません。
この作業は畑の土しだいです。
よく肥えた、腐食の多い畑は固まりはあまり出来ません。
粘土質の土は固まるので、これを細かくするのに時間がかかります。
田んぼを畑にしている所は特に大変です。
田んぼは粘土質でなければならないのです。
起すのが終わると、畝を作ります。
畝を真っ直ぐに作るのは、かなり難しいのです。
几帳面な人はヒモで直線を出して畝を作ります。
畝が直線で無いと、畝間の草を取る、管理機が入りません。
もちろん管理機が無い人は、畝は真っ直ぐでなくても問題はありません。
管理機1台でもあるのと無いのとでは、作業に大きな違いがあります。
普通家庭菜園を始める人は、小さな管理機を買います。
1反ぐらいになると手での作業は困難になります。
最初は手で始めても、2-3年やると管理機を買う人が増えてきます。
そのぐらい機械を使わずに畑をやるのは小規模な場合意外は難しいのです。
起さないやり方もありますけど、作物の出来はよくありません。
自然農で出来るのは、暖かくて、肥えた畑のみです。
大鹿村ではほぼ不可能です。
大鹿村の畑は坂なので、肥料分は1年で流れてしまいます。
石も多くて、耕さないと表面は石だけの畑も多いのです。
石の間に種を蒔いても、芽も出ません。
農業のやり方は、畑と作物に聞いてやるのです。
人間が勝手にこのやり方がいいといっても通用はしません。
畑により、作物によりやり方を変えていかないと出来ないのです。
農業には原理主義は通用しません。
柔軟な頭で対応してください。
堆肥を畑に広げる作業も後1台半を残すだけです。
早く進んでいます。
遅れを一気に挽回して行ってます。
みんなよくやってくれています。
今年はダンプの運転を手伝いのまあしが半分やってくれたので楽でした。
ガタガタのダンプで山奥まで堆肥を運ぶのは本当に疲れる仕事なのです。
山奥の畑は何をするのも大変なのです。
何しろ山奥なので、着くまでに時間がかかります。
下に行くのも時間がかかります。
ここまできました。
