なぜ無農薬農産物は増えないのか。

投稿日: 2016年1月28日カテゴリー: ブログ

原因はいろいろあります。
生産者の場合は、農産物の価格が低すぎなのです。
無農薬栽培の場合は、反当りの収量は半分平均と考えなければなりません。
これは、まず収量が多い品種を選択できない場合、また病気なり虫で収穫できないケースで、農薬と化学肥料で栽培する場合に比べて出荷でお金になる部分がそれくらいなのです。
それに比べて手間は3倍くらいかかります。
除草剤を使えば草抜きの手間は全然いりません。
種をまいて収穫すればいいだけとは言いませんが、労働時間には圧倒的に差があります。
半分の収量で3倍の労働時間。
これは単純計算で無農薬は6倍の値段でないとやっていけないことになります。
実際の値段は2倍弱で、いいとこ1,5倍です。
これどう考えてもやっていけません。
無農薬で稼いでる人はもちろんいるでしょう。
なぜ稼げるのかは謎です。
そもそも少品種、大量栽培は無農薬の場合は無理です。
ふりだしの場合は3年に一度は麦とかの雑穀類を入れます。
そのほかにも連作は極力避けます。
品種もおいしいものを選びます。
慣行農法では品種の選び方は、まず病気に強い、見てくれがいい、粒がそろう(同じような重さや大きさ)これらが優先されます。
味は優先されません。
なぜなら味で買う人はそれほどいませんし、そもそも味のわからない人のほうが多いからです。
そもそもグローバリズムで余計に農産物は安くなってるのです。
アメリカなどはたくさんの補助金で価格を安く維持してますが、生産者には高く支払ってます。
日本は先進物価高諸国の中で一番農業補助金が少ない国です。
その上、無農薬農業は目の敵なので絶対に補助金はくれません。
ほしいとは思いませんが。
補助金は怖いのです。
補助金をもらうと、彼らの求めるやり方で農業をやらなければならなくなるからです。
小規模農家は世界中でつぶれていってます。
日本も本格的に小規模農家潰しが本格化してます。
このような環境でどのようにして無農薬の農業を続けることができるでしょうか。
よく、無農薬で大量生産でうまくやってる農家を紹介したりしてますが、ほとんどの農家は無農薬を初めて5年以内です。
つまり短期間なら無理して大量生産もできますが、次第に問題が出てきます。
農業は持続できなければ意味はありません。
持続できる、まともな農業をやれば食べていけない。
悲しい現実ではあります。
あきらめてはいます。
せめて2倍から3倍の価格で無農薬の農産物を買ってくれるようになれば、もう少しはもう農薬の農産物も増えるでしょうが、今は無理でしょう。
皆さん「安い」が大好きで生きる原点である農産物にお金をかけようとはしません。

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