セヴァン、スズキさんのブラジルでの環境サミットでのスピーチ。

投稿日: 2014年1月28日カテゴリー: ブログ

1992年ブラジル、リオで開催された環境と開発に関する国連会議で13歳の少女が世界の指導者の前でスピーチしました。
22年も前の話ですよ。

こんにちは、セヴァン、スズキです。
エコを代表してお話します。
エコというのは子供環境運動の略です。
カナダの12歳から13歳の子供たちの集まりで、今の世界を変えていくためにがんばってます。
あなた方おとな達にも、ぜひ生き方を変えていただくようお願いするために、自分たちで費用をためて、カナダからブラジルまで旅をしてきました。
今日の私の話には裏も表もありません、なぜって私が環境運動をしてるのは、私自身の未来のため。
自分の未来を失うのは選挙で負けたり、株で損したりするのとはわけが違うのですから。
私がここで話をしているのは、未来に生きる子供たちのためです。
世界中の飢えに苦しむ子供たちのためです。そしてもう行くところも無く死に絶えようとしている無数の生き物のためです。
太陽の元に出るのが、わたしはこわい。
オゾン層に穴が開いたから。呼吸をするのさえ怖い。
九機にどんな毒が入っているかもしれないから。
父とよく釣りをしたものです、数年前に体じゅう癌に侵された魚に出会うまで。
そして今、動物や植物たちが毎日のように絶滅していくのを、私たちは耳にします。
それらはもう永遠に戻ってこないのです。
私の世代には夢があります。
いつか野生動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見ることです。
でも私の子供たちの世代は、もうそんな夢さえ持つことも出来なくなるのではないか。
あなた方はわちしぐらいの年のときにそんなことを心配した事がありますか。
こんな大変な事が、ものすごい勢いで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。
まだ子供の私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきり分りません。
でもあなた方おとなにも知ってほしいんです。
あなた方も良い解決法なんて持って無いって言う事を。
オゾン層に開いた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。
死んだ川にどうやってサケを呼び戻すのか、あなたは知らないでしょう。
絶滅した動物をどうやって生き返らすのか、あなたは知らないでしょう。
そして砂漠になった場所にどうやって森をよみがえらすか、あなたは知らないでしょう。
どうやって直すか分らないものを壊し続けるのはもう止めてください。
ここでは、あなた方は企業や政府の代表でしょう。
あるいは報道関係者か政治家かもしれない。
でも本当はあなた方も誰かの母親であり、父親であり、姉妹であり、兄弟であり、おばであり、おじなんです。
そしてあなた方の誰もが、誰かの子供なのです。
私はまだ子供ですが、ここにいる私たちみんなが同じ大きな家族の一員であることを知ってます。
そうです50億以上の人間からなる大家族。
いいえ実は3000万種類の生物からなる大家族です。
国境や各国の政府がどんなに私たちを分け隔てようとしても、この事は変えようがありません。
私は子供ですが、みんながこの大家族の一員であり、ひとつの目標に向けて心をひとつにして行動しなければならないことを知ってます。
私は怒ってます。
でも自分を見失っていません。
私は怖い。
でも、自分の気持ちを世界中に伝える事を、私は恐れません。
私の国での無駄使いはたいへんなものです。
買っては捨て、また買っては捨てています。
それでも物を浪費し続ける北の国々は、南の国々と富を分かち合おうとしません。
物が有り余ってるのに、私たちは自分の富をそのほんの少しでも手放すのが怖いのです。
カナダの私たちは十分な食物と水と住まいを持つ恵まれた生活をしています。
時計、自転車、コンピューター、テレビ、私たちの持ってるものを数え上げたら何日もかかることでしょう。
2日前ここブラジルでストリートチルドレンと出会い、私たちはショックを受けました。
一人の子供が私達にこう言いました。
「僕が金持ちだったらなあ、もしそうなら、家の無い子全てに、食べ物と着るものと、薬と、住む場所と、優しい愛情をあげるのに。」
家も何も無い一人の子供が、分かち合う事を考えてるのに、全てを持っている私たちが欲が深いのは、いったいどうしてなのでしょう。
これらの恵まれない子供たちが、私と同じぐらいの年だということが、私の頭を離れません。
どこに生まれついたかによって、こんなにも人生が違ってしまう。
私はリオの貧民クツに住む子供の一人だったかもしれないのです。
ソマリアの飢えた子供だったかも、中東の戦争で犠牲になるか、インドでこじきをしてたかもしれないのです。
もし戦争で使われているお金を全部、貧しさと環境問題を解決する為に使えばこの地球は素晴らしい星になるでしょう。
私はまだ子供だけどこのことを知ってます。
学校で。いや幼稚園でさえ、あなた方おとなは私達に、世の中でどう振舞うかを教えてくれます。
たとえば、
あらそいをしないこと。
話し合いで解決する事。
他人を尊重する事。
散らかしたら自分で片付ける事。
他の生き物をむやみに傷つけない事。
分かち合う事。
そして欲張らない事。
ならばなぜ、あなたがたは、私達にするなということをしてるのですか。
なぜあなた方はこうした会議に出席しているのか、どうか忘れないで下さい。
そしていったい誰の為にやっているのか。
それはあなたがたのこども、詰まり私達のためです。
あなた方はこうした会議で私たちがどんな世界に育ち、生きていくのかを決めているのです。
親たちはよく「だいじょうぶ、すべてうまくゆくよ」といって子供を慰めるものです。あるいは「できるだけのことはしているから」とか。「このよの終わりじゃあるまいし」とか。
しかしおとなたちはもうこんな慰めの言葉さえ使うことが出来なくなっているようです。
お聞きしますが、私達子供の未来を真剣に考えた事がありますか。
父はいつもわたしに不言実行、つまり何を言うかではなく、何をするかでその人の値打ちは決まる、と言います。
しかしあなた方おとながやってる事のせいで、私達は泣いています。
あなた方はいつも私達を愛してると言います。
しかし私は言わせてもらいたい。
もしその言葉が本当なら、どうか、本当だと言う事を行動で示してください。
最後まで私の言葉を聞いてくれてありがとうございました。

彼女のスピーチから22年がたっています。
私達おとなは彼女に答えられたのでしょうか。
彼女たちに安心して生きていける未来をあたえたのでしょうか。
どうか良く考えて、そして行動してください。
子供たちが幸せに暮らしていける未来を作るのはおとなの責任です。

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