精子、胎児、がん細胞はいずれも分裂の盛んな細胞ですが、
いずれも解糖系を主としてエネルギーを生成してます。
精子の場合は陰嚢に包まれて体温を下げて分裂してます、
胎児細胞の場合は胎盤を介して酸素分圧を5分の1まで下げて分裂を促しています。
がん細胞の場合は患者の行き方の無理から来る低体温と低酸素で分裂が維持できているわけです。
逆に血行を良くすると、
低体温と低酸素の条件が整わなくなるので解糖系が十分に働けなくなり、
がん細胞は分裂できなくなります。
私たちの体の中で分裂を続けている細胞は、
精子以外では皮膚細胞、
腸上皮細胞、
骨髄細胞です。
いずれも低体温か低酸素にさらされて分裂が盛んになります。
皮膚や腸は冷やす事で、
骨髄細胞の場合は低酸素で分裂が盛んになります。
ゆったり生きると貧血気味になり、
よく運動して骨髄を低酸素にさらすと赤血球造血が盛んになるのです。しかし限度があるので行き過ぎたときは骨髄機能そのものが低下します。
機能がゆっくりになるのと低下するのではぜんぜん違う事ですから注意ください。
次にミトコンドリア系です。
20億年前に原始原核細胞にミトコンドリアが寄生するまでは、
私たちの先祖細胞は解糖系のみでエネルギーを得ていましたが、
ミトコンドリアが進入し寄生関係が安定してからは、
エネルギーの半分はミトコンドリアの内呼吸で得るようになったわけです。
持続的運動が可能になった反面、
分裂は抑制されるようになっています。
ストレスなどでミトコンドリアの機能は疲れてきて分裂が始まってしまいます。
この相反する性質のものが合体して出来たのが今の生物です。
つまり酸素が精製されその環境に適応するために、
この二つの相反する細胞が一緒になって適応したのですが、
元々相反する性質上この両者のバランスが非常に大切なのです。
これは人間と他の生物との関係にも言えることです。
一見すると分かれて生きてるように見えますが、
人間と他の生き物もこのバランスの上に成り立ってる法則からは逃れる事ができません。
別々に生きてるように見えるだけで地球にとっては人間も他の生き物も同じ自分の構成物質なのです。
ミトコンドリアが自分は自由だといってかってな行動に出ればどうなるのでしょう。
また木のの葉っぱが自分には他の可能性があるかも知れないと光合成をやめればどうなるのでしょう。
ミツバチと花もどちらかがいなくなると生存できません。
これも分かれているように見えますが一つの生命体なのです。
ボルネオのジャングルのイチジクに付いてる蜂は、
イチジクの中に入ってイチジクを交配させ、
自分は卵を産み、
その子供が大きくなるまでイチジクの実の中で育ちます。
子供は大きくなると外に出て他の蜂と交配して直ぐに別のイチジクの実に入っていきます。
このイチジクにはこの蜂しか入る事ができません。
この場合イチジクとこの蜂は別の生命というよりはひとつの生命と考えた方がいいのではないかと思われます。
このように生命の垣根は曖昧なものです。
ミトコンドリアも大腸菌もいなければ人間は生きていけません。